ブラック企業の洗脳を解いてみたい

ブラック企業に勤めている皆様へ。

ブラック企業の問題は、イジメ問題と似ています。イジメ側(経営者・加害者)に非があるのは明らかですが、イジメられる側(従業員・被害者)がそれを甘受(かんじゅと読む)しているため、加害者を増長させている面もあります。

カンタンには解雇できない

しかし、「逆らったら居心地が悪くなる。最悪クビになる。」と考えてしまうと甘受せざるを得ません。
でも大丈夫。フツーに働いている人を解雇することはとても難しいので、クビを切られることはそうそうありません。会社を恐れず、自分の権利を主張しましょう。

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能力不足を理由にした解雇 | 要らないからクビ、は通じません

しかし、難癖をつけてくる場合もあるので、真面目に働きましょう。日頃の行いが大切です。

不当処分の恐ろしさ | 労働基準法違反を許すな!労働者

一週間で働いてイイのは40時間まで

クビにされる怖さが無くなった所で、自身の勤務体系を振り返って見ましょう。多くの方が月曜から土曜まで毎日8時間は働いている事でしょう。

「毎日8時間、残業ナシなら寧ろ(むしろと読む)ホワイトじゃん。」と思う方も居られるかと思いますが、残業代が出ていなければブラックです。

労働基準法では、「1日に8時間、一週間で40時間までしか働かせてはいけない」と定めています。つまり、月曜から金曜まで毎日8時間ずつ働いたのであれば、その時点で8x5=40時間を働いちゃってるので、土曜日は出勤した時点で残業扱いとなります。

回避策(?)として、「1年単位の変形労働時間制」を採用し、年間休日を105日以上確保すれば週に6日間働いても1日8時間にギリギリ収まるけれども、労使協定の締結、労働基準監督署への届け出、就業規則への記載などが必要など、ちとハードルが高い。

ハードルが高い故、必要事項をクリアせずに制度だけを採用していたりするのでなお質が悪い。

労働時間(残業時間)の定義を知っておこう
残業代の請求は、労働時間の定義を理解することから始まります。使用者も労働者も労働時間に対する認識が甘すぎます。

皆さん、土曜日の定時勤務に残業代が付いたことがありますか?おそらく無いでしょう。だってソコはブラック企業だもんw

・残業って実は特例なんだよ

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試算してみよう

では、具体的に土曜日が残業扱いだったらってのをシミュレートしてみよう。愛知県の最低賃金が871円/時間(効力発生日 平成29年10月1日)なので、残業代の掛け率25%をかけると217円(端数切り捨て)。8時間で1,736円の不払い分。仮に月に2回の交代勤務とすると、一ヶ月あたり3,472円。

大きいよね。最低賃金で計算してすらこの額。一ヶ月のお小遣いが3,000円とかって苦労しているお父さんなんかには大きすぎる額だよね。

そしてね、これが例えば70人規模の会社になると、3,472x70=243,040円、、、。コレってドコに消えたの?フツーに考えると、社内保留分?だけど、ブラック企業に多い家族経営的なトコなら経営者のポケットだよね、、、。

もう少し、掘り下げてみよう。毎朝の朝礼とかさ、掃除とかさ、会議とかさ、残業代つかないよねwあの時間帯で従業員が如何程(いかほどと読む)ロスしているか、つまりは、経営者がどれだけゲットしているか。

先ほどの最低賃金から計算すると、時間外業務(定時時間以外の勤務。つまりは残業代(早出残業を含む))の単価は871x1.25=1,088円/時間。1分あたりに換算すると、18円/分。

掃除とか、全員参加型のイベントだと、18x70=1,260円、、、。1分毎に経営者のポケットに1,260円も入ってくる、、、。そりゃ経営者もニコニコだよね。腕組んで見回ってるだけでこの額。20分もすれば、1,260x20=25,200円。

ここまでの内容で、「マジか!」とか、「おかしい」とか、「ありえへん」とか、「アカンやん」とか思った方はブラック企業の洗脳が解けかかっています。共に頑張って、「早く人間になりたーい。」と叫びましょう。

ここまでの内容で、「ん?だから?」と思う方は立派な社畜か妖怪人間です。価値観が異なるようですので、そのまま邁進(まいしんと読む)し、せめて人間の邪魔にならないようにひっそりと生きて、働いて、生きて、働いて、朽ちてください。

強制参加の会社行事は業務だよ♪

さて、ここまで読んで頂けた方には、ブラック企業においては如何に従業員が搾取され、如何に経営者がウハウハか、って事が理解されたかと思います。

では、従業員にとっては更にダメージの大きい、休日イベントをシミュレートしてみよう。例えば、ソフトボール大会。基本的に土曜や日曜に行われるので、月曜から金曜の40時間は働いてしまって(過去完了形)いるので、参加した時点で残業代が発生します。

っと、「働いていないのに残業代?」と素朴な疑問を持つ方も居られる事でしょう。ブラック企業によくある休日イベントは強制参加が多いため、業務扱いとなります。

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では、ご理解頂けたところでシミュレーションに戻ります。ソフトボール参加への拘束時間を少なめに見積もって6時間と仮定すると、最低賃金の時間単価が、871x1.25=1,088円/時間で、6時間となると1,088x6=6,528円。
参加者には参加費が支給される場合もありますが、仮に5,000円貰っても、うん、全然足りませんね。交通費や労災の保証もありませんし。掃除とか勉強会なんかは支給もないので大赤字です。(無論、従業員が。)

ネタが尽きてきたのでまとめ

もぉね、経営者が如何に従業員を、
便利に
適当に
都合よく
思いのままに
扱っているかを分かっていただけると思います。

いや、こんなね、シミュレーションをするまでもなく、「人間」として扱われていない事は皆さん既に重々承知の事だと思います。

例えばね、皆さんの誰かが経営者だったとして、ここまで従業員を「人間」扱いしない事って出来るかい?真っ当な人なら良心の呵責に耐えられないんじゃない?でも、彼ら、ヤツら、経営者らは「人間」扱いしない事が出来ている。良心の呵責に耐えている、って言うか、良心がマヒしている。

何故か?

人間は順応する生物なので、生きていく上で問題がない・少ない事はそれを「常態」として認知・感知してしまうんだろう。つまり、経営者→従業員の軽微なパワハラがスパイラル化し、ここまでの状態になってしまったのではなどと想像してみる。

冒頭にて、被害者にも非がある旨を述べた。ここまで加害者を「人では在らざる者」に仕立て上げてしまった責は被害者側(現存のみならず、むしろ、今は無き(×亡き)被害者に多責アリ)にもあるだろう。

人と、人がね、協力し合う。
これだけの仕事してね。給料払うから。
これだけの仕事したよ。給料ちょーだい。

こんな、単純な、和で十分なハズ、ってのは夢を見過ぎだろうか。

・読み物

社畜批判 - お前ら、社畜で人生楽しいか?

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